2022.08.26 Friday
情報を垂れ流しにしない、自らの釣行に責任を持つ理由
熊本ネットバサーズ(以下KNB)では、フィールド保全、マナー遵守、外来生物法等に基づいた、KNB登録メンバーの釣行、ならびにネット上でのフィールド名の公開についてガイドラインを設けています。
釣り人である以上、誰しもビッグバスへの憧れを持っています。そして他のジャンルの釣りと同様、誰もが「自分だけの秘境」「デカいバスが釣れる場所」「バホバホ入れ食いの場所」を求めます。
デカバスが釣れたら誰だって嬉しい。そしてその情報を共有できる仲間がいたらさらに嬉しい。自分が勝ち得た釣果を自慢したい気持ちは誰だって持っています。
そんな欲求、自己顕示にインターネットは最適です。自分の釣果を公開し、その喜びを共有できる場所。その一方で、それらの情報を求める側にとってもインターネットは最適な場所です。様々な情報が蔓延し、様々な情報を収集できます。
例えば、あなたが釣った場所が実は釣り禁止の場所だったとします。あなたはそれを知らなかった。しかしそれをネットの誰かに指摘されたことであなた自身は反省し、「この場所は釣り禁止でした。ここで釣りをするのは止めましょう」と書き込んだとします。そこに残る情報は「釣り禁止」という事実と「デカバスが釣れる」というセンセーショナルな事実です。
「釣れる場所」の情報を求めている人が決して善良な人ばかりとは限りません。そこが釣り禁止の場所であっても「釣れる場所」とだけ認識して行く人もいるでしょう。または釣り禁止だと知って恐る恐る下見に行く人もいるでしょう。
一人が禁を破ってしまえば、「なんだ、みんな釣りしてるじゃないか。じゃあオレも」という流れが出来てしまう。
しかし、そこには釣り禁止になった「理由」があるはずです。近隣の住民の通行を阻害するような釣り人の駐車だったり、ゴミ問題だったり、取水施設を破壊された前科とか、あるいは漁業権の問題かもしれない。
そういう「理由」を無視して、自らの欲求だけを強行する行為は、さらなるバスフィッシングの環境を悪化させるだけであることに気づかねばなりません。
誰かに迷惑をかけて釣りをするよりも、私たちはみんなで笑ってみんなでホゲって帰りたい」
また、熊本県内の様々なフィールドは、釣り禁止でなくても様々な問題を抱えているフィールドが沢山存在します。
漁業権が存在し、私たちアングラーが漁業を生業にしている人に迷惑や影響を与えている場合。釣り自体は黙認されているが駆除の動きがあり、アングラー自体が地元民に受け入れられていない場合。野池などの小規模なフィールドでは民家や田畑に近いために駐車やゴミ問題などで迷惑をかけている場合等…。
私たちKNBは、そういうネットでフィールド名を公開することで影響を与えることを考え、様々な条件から県内のフィールドをランク付けした「フィールドガイドライン」を策定し、その全ての条件に合致したフィールドでのみトーナメントを開催するようにしています。
また、プライベートの釣行でも、フィールドガイドラインに合致しない場所での釣行を自粛することを促したり、またはブログやSNS等での湖沼名の公開を控える申立を行っています。
私たちだってデカバスを釣りたい。バホバホと入れ食いをしたい。
でも、誰かに迷惑をかけて釣りをするよりも、みんなで笑ってみんなでホゲって帰る方がいい。
もしKNBに入りたい理由が、単にデカバスを釣りたい、どこでもいいから沢山釣れる場所を知りたいという理由だけだったら、KNBはあなたには向いていないかもしれません。例え、「××ダムでむちゃくちゃ釣れている」という情報が入ったとしても、××ダムがフィールド的に問題がある場所だったら、KNBの誰もが行かない。そういう連中ばかりです。
普段はバカ騒ぎをしている私たちですが、フィールドの選定には敏感です。そしてルールを守ります。
なるべく誰にも迷惑をかけずに、出来ることなら歓迎されながら、こうやって知り合えた仲間たちと笑って楽しく、これからもずっと釣りを続けていくために、以下の「KNBフィールドガイドライン」を策定しています。KNBの登録メンバーはこの内容を遵守し、湖沼名の公開、または釣行の判断を行ってください。
また、KNBのメンバー以外でも、このガイドラインに共感頂ける方がいてくれれば、それは望外の喜びです。
KNBフィールドガイドライン
KNBではバスが生息する各フィールドごとにランク付けをし、ネット上での無差別なフィールドの公開に伴うフィールドの荒廃、違法駐車やゴミ問題、地元ならびに漁協等営利団体との軋轢を避けることを目的としています。
私たちは多くのメンバーと楽しめる利点を持ちつつも、多くの人が集まることで生じる責任も持ち合わせています。その責任は、自らの行動と欲が制限されることもあります。
下記のフィールドランクにつき、各メンバーが熟慮の上、釣行の判断をしてください。
各フィールドにおいてランク付けを行っていますが、ここで無差別のフィールド名の公開を行うことはガイドラインの趣旨に反しますので、釣行・フィールド名公開可能なA、Bランクのみフィールド名を公開しています。
また、ブロガー、ホームページ管理者の方、または全てのメンバーはSNSやBBSへの投稿はその取り扱いについて遵守をお願いいたします。
KNB登録メンバーにおいては、全てのフィールドにおいて、ボート、フローターで釣りをする際には、大会・プライベートに関わらずライフジャケットを着用することが義務づけられています。
Aランク
- 定義
- バス釣りのフィールドとしても認めらており駐車スペースも多く、ネット上での公開に支障がないフィールド。
ただし各フィールドに定められたルール、またはKNBおよび他団体と取り決めたローカルルールについては、メンバーは遵守することが求められる。
KNBが主催する大会開催は、この基準に達したフィールドで開催する。 - Aランク指定フィールド
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- 萩尾大溜池
- 鐙上堤
- 鐙中堤
- 市房ダム
- 緑川ダム(エリア外は禁止)
- 赤田池(ボート禁止、中の島は私有地の為立ち入り禁止)
- 湯舟堤(ボート禁止)
- 石打ダム(ボート禁止)
- 教良木ダム(ボート禁止)
Bランク
- 定義
- フィールドとしては釣り可能ではあるが、諸問題を抱えるためローカルルールを提唱するフィールド。KNBメンバーについてはこのルールを遵守することが求められる。
ネット上での公開は原則OKだが、ローカルルール等を記述するなど慎重な取り扱いを行う。 - Bランク指定フィールド
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- 加勢川(駐車エリア及び田畑への侵入に要注意)
- 浜戸川(一部採捕禁止エリアがあるために要注意。路上駐車に注意。)
- 緑川本流(国土交通省への事前登録が必要。使用時には事務所で手続きを行い鍵を借りる事)
- 網道池(不知火干拓貯水池)
Cランク
- 定義
- 釣り自体はOKだが、そのフィールドが抱える諸問題の大きさを各自が考え、釣行自粛を含めた慎重な判断をお願いしたいフィールド。
メンバーの釣行自体は禁止しないが、ネット上でのフィールド名公開は禁止する。- 再放流禁止等の看板などが掲示してあり、地元等でのバス釣りの受け入れが否定的な場所
- 小規模な野池であったり、田畑、住宅地のそばにあるようなフィールド
- 駐車場がない、駐車場が狭いフィールド
- その他、釣り人が増えることにより、様々な衝突や問題が起こる恐れがあるフィールド
Dランク
- 定義
- Cランクの中でも特に慎重な取り扱いが必要と思われるフィールド。推奨としては釣行自粛ではあるが、最終的な判断は各メンバーに委ねる。ネット上でのフィールド名公開を一切禁止する。
- 主に放流禁止の看板が設置してあったり、駆除目的のイベントが実施されるなど地元、管理者団体がバス釣り自体に否定的な場合
- 漁業権が存在し生業としている人に迷惑をかけてしまう恐れのある河川
Eランク
- 定義
- 釣り禁止、ボート禁止、周囲が柵で囲まれている等、釣りをするにふさわしくないフィールド。
メンバーがこのフィールドで釣行していることが判明した場合はペナルティの対象となる
フィールドガイドラインの今後について
今後、禁止フィールドや解禁フィールド等が出てくると思います。様々な情勢等を考慮し今後もこのガイドラインの基準を変更していきます。
釣りが出来るか否か不明な際には釣行を強行せず、必ず確認をして問題が無ければ行ってください。